どんな研修が行われているの?

 相続専門相談に登録するためには、毎年、様々な研修を受けなければなりません。単なる座学だけでなく、より実効的にするために、ベテランと若手が20人程度で一組となり、事例を元に厳しい議論を交わす事例検討会も行っています。これらの取り組みは、全国からも注目を浴びており、類を見ない研修となっています。

 

どんなメンバーで実施しているの?

 この制度が、長期的に運営され、より高度化するために、研修を実施するチーム員も、若手とベテランとで構成することにしました。今まで、研修というと、講師を決めて、あとの内容は講師まかせというものが多いように思われました。しかしながら、相続専門研修は、チーム員が、その内容について研究を深め、そのうえで、講師と何度もディスカッションを行い、行っています。チーム員が調査や研究、アンケートなどを行い、それを踏まえ、チーム員と講師とともに、研修レジュメや資料を作成します。研修当日も、チーム員が講師に質問をぶつけ回答をすることで、研修受講者が本当に聞きたい、知りたい情報を提供できるように工夫しています。

 チーム員は、3チームに分かれ、各チーム20人くらいで構成して、さらにそのチームの中に、講義のコマごとにチームを作り、議論、調査、準備を行っています。毎日、どこかのチームがチーム会を行っています。

 正直、本当に準備は大変で、会場の定員400人を超える、しかも全員弁護士が聞く講座を開催するプレッシャーも相当です。しかし、事件処理のなかで調べているというレベルを遙かに超える、横断的、ち密な知識、経験を得ることが出来るため、チーム員のスキルの向上はすさまじいものです。

 また、飲みながら議論をすることも多く、自然、チーム員の中の結束力は強くなっていきます。


 

研修の様子は?

 愛知県弁護士会に登録されている弁護士は、約1700人。研修の多くは、名古屋市内にある弁護士会館や、その傍の会場を借りて行います。今まで、数多くの実務研修が行われてきましたが、参加人数が多いものでも、100人程度でした。

 今回の相続専門研修を実施するに当たり、弁護士会の会員にアンケートを行ったり、意見を聞く場をつくったり、関係各委員会で議論の場を設けていただいたり、弁護士会の国会に相当する常議員会で何度も議論をしたり、会報にその状況を載せていただいたりしました。

 新しい取り組みですので、当然、賛成意見ばかりではなく、反対意見もあり、平成26年度の議案で最も多く議論されたのが、この相続専門相談となりました。

 その結果、弁護士会の会員の関心も非常に高く、弁護士会の近隣で一番大きな会場の収容人数が約400人だったのですが、研修第1回の受講を募ったところ、数日で満席となり、会場に入りきれず、会場の外で研修を受講された方もいらっしゃったくらいでした。

 この研修の様子を、中日新聞やNHKの方に取材していただきましたが、すごい熱気であり、相続専門研修の受講者の熱意を強く感じました。